ネイティブの先生にはOKをもらえたのに…
こんにちは！
【英語発音技能検定EP-Pro®】を運営しております、一般社団法人Triple C協会代表理事の菅沼です。
今日は試験結果を受け取った方から時々いただくご質問についてお答えします。
『ええ！なんで？』
「受験前にネイティブスピーカーの先生に聞いてもらった時はOKをもらえたのに、試験結果を見たら減点されていた！」
【英語発音技能検定EP−Pro®︎】を受験された方で、こんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
【英語発音技能検定EP−Pro®︎】は、試験問題を確認できる日から動画のご提出の〆切日まで、14日間もの間、好きなだけ練習ができるので、その間にネイティブスピーカーの先生にチェックしてもらう方もたくさんいらっしゃいます。(もちろん、これは全く問題ない行為です。発音は練習すればするほど上達しますので、たくさん練習をしていただけると、採点者も嬉しいです！)
ネイティブの先生に「大丈夫、問題ないよ！」と言われたから動画を提出したのに…ここもあそこも減点されてる！ネイティブの先生には何も指摘されなかったのに！となると、『ええ！なんで？この検定、採点がおかしいんちゃう？』と感じられるのも無理はありません。
結論から言うと…ネイティブスピーカーだからといって、英語の発音指導がきちんと出来る訳ではありません。つまり、ネイティブスピーカーであろうとなかろうと、英語と日本語の発音の違いをきちんと理解できる人でなければ、日本人に英語の発音の指導をするのは困難です。
ちょっと想像してみてください。日本人のあなたが日本人だからといって、例えばタイで、あるいはイタリアで、もしくはブラジルで、現地の方たちに日本語の発音を正しく教えることは可能でしょうか？
日本語には伸ばし棒「ー」のような音や「っ」のような特徴的な音があります。
また、日本語は高低アクセントで、これを難しいと感じる外国人も多いそうです。（とても簡単な例で言うと、橋と箸、花と鼻などですが、実際は文章の中でアクセントってかなり変化しますよね）
そして、日本語は「モーラ（拍）」と呼ばれるリズムがあるんです。
おそらく、日本語を教えるプロでなければ、日本語発音の特徴についてなんて細かく考えたことがなかったと言う方が多いのではないでしょうか。
そんな知識もないまま、もし、非日本語ネイティブの方が「僕の日本語をチェックしてくれ」と頼んできたら、多少の違和感があったとしても「大丈夫、通じるよ！」と多くの方は伝えてしまうのではないでしょうか。
【英語発音技能検定EP-Pro®】は指導者向けに開発された検定です
・・・もうなんとなくお分かりいただけたと思います。
ネイティブスピーカーの先生がOKを出しても、【英語発音技能検定EP-Pro®】では減点されてしまう事があるのは、チェックしている箇所が違うからです。
【英語発音技能検定EP-Pro®】は指導者向けに開発された発音検定です。
特定の音を発音する際に舌の位置がどこにあり、口や喉はどの程度開いていて、どのくらいの息や声の量が出ているか、唇や歯の使い方もチェックしています。上級になればなるほど、細かい箇所を確認します。
また、ひとつひとつの音素だけでなく、英語は文章の中でのリンキングやイントネーション、そしてリズムも大切な要素です。検定でチェックしている箇所は、実はたくさんあるのです。
こういった違いをしっかりと理解した上で、お手本となるような正しい発音ができている方が合格できるような試験問題となっています。
指導者のための検定ですので、やや厳しい採点となることもありますが、そこは開発者としても譲れない部分でもあります。受験をご検討されている方は、その点に留意してお申し込み下さいませ。
裏を返せば、そんな厳しい採点基準の中【英語発音技能検定EP-Pro®】特級に見事合格された先生方は、発音スキルもさることながら、きっちりと、しっかりと、発音矯正・発音指導が出来る先生方であられます。8月にはそんな先生方のレッスンをご紹介するページも開設予定です！どうぞお楽しみに♪
1972年東京都出身。5～９歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この２つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。
