コラム

「EP-Pro®発音ミニ講座」開講ウラ話 

「こんな講座があったらいいのに」から始まりました

英語発音技能検定EP-Pro®を運営していると、さまざまな受験者の方の発音に触れます。

あとほんの少しで合格という方。
全体的にはとても上手なのに、特定の音だけが苦手な方
何度か受験してくださっているけれど、毎回同じようなところで減点されてしまう方

試験結果には、できるだけ詳しいフィードバックをお返ししています。

…けれど、発音というのは、文字だけで説明するのがとても難しいものです。

こちらとしてはかなり具体的に書いたつもりでも、「なるほど、そういうことか」と本当の意味で理解していただくところまでは届いていないことがあります。

そして、そのまま自分なりに練習を重ね、再受験してくださる方の中には、惜しくも再度不合格、ということも少なくありません

努力されていることは伝わってくるのですが、根本的なところが変わらないまま、同じ課題を何度も繰り返しているケースも実は多いのです。

個別フィードバックの効果

そんな受験者の方には、これまで試験結果の最後に、「正しい音の出し方がわからないなど、お困りでしたらご連絡ください。何かお力になれることがあると思います」と、一言添えていました。

すると、かなりの確率でご連絡をいただきます。

30分ほど、オンラインで個別フィードバックをさせていただくと、お困りごとが「なるほど!」に変わる様子を何度も目の当たりにしました。30分という短い時間でも、実際に音を聞き、口の動きを見ながらお話しすると、文字だけではなかなか伝わらなかったことが、急につながるのです。

たとえば、L の舌の位置を日本語の「ラ行」と比較して説明したところ、「そういうことだったんですね」と一気に理解が深まった方もいれば、R を巻き舌のように発音していた方に、舌の使い方を少し修正してもらったところ、音がぐっと安定したこともあります。

文章の音読でも同じです。

リンキングやリズムを「なんとなく英語っぽく」と感覚で捉えていた方が、仕組みやコツを知ることで、「なるほど!」と腑に落ちる。「目からウロコでした」と言っていただくことも、何度もありました。

そんな経験を重ねるうちに、

発音は、やはり一度きちんと「人に見てもらう」と早い!』

と確信しました。

今は動画もアプリもAIもありますし、独学で学べる環境は昔とは比べものにならないほど充実しています。もちろん、それらはとても便利です。

でも、自分の口の形や舌の位置、そして自分が実際に出している音と、自分が「出しているつもり」の音との違いは、自分ひとりではなかなか気づけません。間違った方法のまま何十回と練習してしまうこともあります。

そんなときに、誰かからほんの少し、方向を修正してもらうだけで、長く抱えていた疑問があっさり解決することがあります。

・・・とはいえ、本格的な個人レッスンを申し込むのは、ちょっと勇気が要りますよね。

独学に限界を感じつつも、継続的なレッスンを受ける程ではないと感じている方や、特定の音だけを教えてほしいと思っている方もきっと多くいらっしゃるのではないかと思っています。

だったら、苦手なポイントだけを、

気軽に、短時間で学べる場所を作れないだろうか

それが「EP-Pro®発音ミニ講座」を企画したきっかけです。

EP-Pro®発音ミニ講座

講座は、1回60分で少人数制です。

人数が多すぎて、一人ひとりがほとんど発音できない講座にはしたくありませんでした。

ただ説明を聞いて終わるのではなく、実際に声を出して、講師からその場でフィードバックを受け、「学ぶとこんなに違うんだ!」と感じてもらえる時間にしたいと考えています

講師をお願いするにあたっても、英語発音技能検定EP-Pro®特級ホルダーであれば誰でもよい、とは考えませんでした。

実際にオーディションを行い、検定の評価基準を理解していることはもちろん、受講者の弱点にきちんと向き合い、それを「人に伝えられる」指導力を持つ方にお願いしています。

それぞれの講師が持つ強みを活かし、説明の仕方や単語のチョイスから例文も含めて、得意とするスタイルで講座を作り上げています。

大切なのは、受講者が「できない」で終わるのではなく、「こうすればいいのか」と次の一歩を持ち帰れることだと思っています。

講座のねらい

そして、この講座では、始まる前に受講者の方に考えていただくことがあります。

「60分後、自分はどうなっていたいか」

完璧に発音できるようになる必要はありません。

「今まで出し方がわからなかった音のコツをつかみたい」
「自分の何が違うのか知りたい」
「家での練習方法をわかるようになりたい」

目的地は人それぞれでいいのです。

その小さな目的地に、60分後には少しでも近づいている。そんな講座にしたいと思っています。

英語発音技能検定EP-Pro®は、発音スキルを評価するためだけの検定ではありません。

受験をきっかけに自分の発音と向き合い、課題に気づき、その先へ進んでもらうこと。

ミニ講座が、その「気づいた後」の一歩を支える場所になれば嬉しく思います。


このコラムを書いたのは…

菅沼直子 一般社団法人Triple C協会代表理事 2男2女の母

1972年東京都出身。5~9歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この2つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。

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