冠詞 a と an
~ 発音が正しければ、考えなくても自然と使い分けができる ~
日本語にはない概念:名詞の前につける「冠詞」。
ついついうっかりつけるのを忘れてしまったり、「a だっけ?the だっけ?」と咄嗟にわからなくなったり…慣れるまでは大変な品詞です。
さて、この冠詞ですが、母音で始まる単語につける場合は「a」ではなくて「an」。という法則は中学校で習いましたよね。「the」の発音も、変わってきます。
…でも、頭ではわかっていても、どうしてもスルッと自然に出てこない!そんな人は、発音を見直してみるといいですよ。母音の前で「a」が「an」に代わるのは、ただ単に「発音しづらいから」なのです。
I have a apple. ←これを「言いにくいなぁ」と感じられないのであれば、英文を読むときになめらかに発音できていない、という事になります。
英文と和文の成り立ちの違い
ところで、少し話が変わるのですが、日本語は、文字で文章を表す時、単語と単語を離して書くことはしませんよね。
例えば こんな 調子 で 単語 と 単語 の 間 に スペース を 入れる こと は しません。
ああ、読みにくい(笑)
日本語は漢字がありますし、必要な時に句読点で区切ることが出来ます。自然と単語と単語の区別ができますよね。
思い出してください。小学校1年生の時の国語の教科書はひらがなだらけだったでしょう?もし機会があったら見てみて下さい。ひらがなだらけで読みにくいので、スペースがいっぱい使われています。
英文は、目で読むときにこうして単語と単語の間を空けないと、どこまでがどの単語かが区別がつかないので、スペースが空けてあります。
Ithinkitmustbereallydifficulttoreadthissentencebecausetherearenospacesinbetweenthewords.
このスペースはつまり、視覚的に助けてくれているだけなので、読み上げる時はこのスペースは息継ぎの場でもなく、一拍おかなければならない場所でもないのです。
文章のスペースは「読まない!」のがコツ
コツとしては音を出す時に極力、スペースを無視するんです。ですので、「This is my pen.」という文を読むときはスペースを無視するので、「Thisismypen. 」というように聞こえるはずです。
This の後にくる is の母音に引っ張られて thisis になりますし、mypen も同様に、くっつけて発音します。
さて、ここで本題に戻りますが、先ほど出ました「I have a apple.」はどうでしょうか。
「Ihavaapple」の母音が続くところ、読みにくくありませんか?
「Ihavanapple」の方が読みやすいと思いませんか?
a egg ⇔ an egg
a owl ⇔ an owl
a umbrella ⇔ an umbrella
ぜひ試しに声に出して読んでみて、読みやすさを実感してください!
このコラムを書いたのは…
菅沼直子 一般社団法人Triple C協会代表理事 2男2女の母
1972年東京都出身。5~9歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この2つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。