コラム

発音記号の勉強って必要?

発音

今週からやっと子どもの学校が始まりました。

長い休校期間でしたが、皆さまのお子さんや生徒さん達はどのように過ごしていましたか?

我が家の新中学1年生の次女は、たまの登校日にどっさりと出された課題をこなすのに精一杯でした。まだ進学してから一度も授業を受けないまま、教科書を見てプリントの穴埋めをするなどの宿題をひたすらやっていました。(ちなみに、うちの子の通う中学校ではオンライン授業は一度もありませんでした。)

「これってなんなの?」

たくさんの宿題の中に「教科書の新出単語を単語ノートに書き写す」という英語の課題がありました。

真面目な(?)次女はそれをきちんとコツコツ写していましたが…

途中で「わけもわからず写してたけど結局これってなんなの?」と聞いてきました。

ノートを見ると「Foreign Word」「Pronunciation」「Japanese」という欄があり、それぞれに英単語、発音記号、日本語を写してあったのですが、「これってなんなの?」の正体は、そう、あのみんなに憎まれている発音記号だったのでした。

私の大人の生徒さんは、ほぼ全員が「発音記号が読めません」と言っています。

実は私もここ数年でようやく読めるようになりました。笑

音を習う前に発音記号?

発音記号はどんな時に使うのか。

私の場合は、フォニックスの法則ではどうしても読めない単語(全体の約30%と言われています)の音を確認するために、辞書をひいて発音記号をチェックします。

また、検定の試験問題を作成する時に「この音とこの音は本当にrhymeしているのだろうか?」等々、隅々までチェックする時に発音記号を確認します。

発音記号が実際にどんな音を表しているかを知っているからこそ、出来る技です。

発音記号を知っていても「正しい音がわからない」「自分で発音できない」では意味がありません。

大事なのは、まず聞いて正しい音を知ること。

そして正しい音を自分で出せるようになること。

なので、音を習う前に発音記号をノートに写しても、残念ながら知識はそんなに増えないかもしれませんね…。

発音記号よりもフォニックス!

フォニックスを早くから身につけてしまえば、発音記号なんて覚える必要はないのかもしれません。

先ほど書いた、「実は私もここ数年でようやく読めるようになりました。」という理由はここにあります。

先に音を知っていたので、後になって「理屈として」発音記号がついてきた、という感じです。

ただ私は幼少の頃にアメリカの現地校でフォニックスを先に身につけてしまったので、だからこそ、こんなことが言えるのであって、私の次女のように日本育ちで日本の学校で英語を学び始めるとなると、なかなか難しいことかもしれません。

それにしても、発音記号を学習させるメリットってなんなのかなぁ…?

ぜひ、小中学生のうちに、フォニックスを通じて日本語と英語の音の出し方の違いを知る、というところから進めてほしいなぁ・・・。


このコラムを書いたのは…

菅沼直子 一般社団法人Triple C協会代表理事 2男2女の母

1972年東京都出身。5~9歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この2つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。

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