コラム

「不合格で終わらせない」伸びる人がやっている、遠回りしない発音の学び方

検定というと、どうしても「合格したか、しなかったか」に目が向きがちです。けれど、長くこの仕事を続けてきて感じるのは、本当に価値があるのは結果そのものより「その過程」なのかもしれない、ということです。

こんにちは。【英語発音技能検定EP-Pro®】代表理事の菅沼です。今回は、検定を受けたあと、伸びていく方がどんなふうに次の一歩を選んでいるのかを、実際の受験者さんのお話やお声をもとにお伝えしたいと思います。そして少しだけ、「独学でがんばる」ことについての私なりの考えもお話しさせてください。

一度立ち止まる、という選択

印象に残っている受験者さんがいます。その方は2級に合格したあと1級に挑戦し、一度は不合格という結果になりました。

こういうとき、すぐに再受験を申し込む方も少なくありません。「次はもう少し練習してから」と、同じやり方のまま練習量を増やして、もう一度。その気持ちはよくわかります。

でもその方は、一度立ち止まることを選ばれました。まずEP-Proスキルチェックの「Basic Sounds」で、ひとつひとつの音のレベルでどこに課題があるのかを確かめ、次に「Natural Reading」で、文章を読んだときの全体の流れを見直す。そのうえで、あらためて1級に向かっていかれたのです。

「結果を受け取って終わり」にするのではなく、結果を手がかりに課題を小さく分け、次の一手を考える。それだけで、同じ時間をかけた学習でも中身がまったく変わってきます。

そしてその方は、2025年9月、見事1級に合格されました。保育士として働きながら、社会人になってから英語を学び直してきた方です。合格者インタビューでは、当時をこう振り返っています。

当初は”資格を取ること”ばかりに意識が向き、自分の発音ときちんと向き合えていなかったように思います。

「何度も落ち込み、何度も原点に戻りながら」と語るその道のりは、決して平坦ではありませんでした。それでも、結果を「次に何をするか」の材料に変え続けたことが、合格につながったのだと思います。

「厳しい」の先にあった「納得」

英語発音技能検定EP-Pro®では、ご希望の方にフォローアップセッションを行っています。そのため私は、不合格だった受験者さんと直接お話しする機会が少なくありません。

そこでいつも意外に感じるのが、多くの方が結果に「納得」していらっしゃることです。「思っていたより厳しい採点だと感じたけれど、自分の癖や課題がはっきりした」とおっしゃる方もいれば、「気づきが多くて、次に何をすべきかが見えた」「ようやく自分の発音に目を向けられるようになった」という方もいます。取り組むきっかけをもらえた、と前向きに受け止めてくださる方も少なくありません。

……もちろん、面と向かってお話しているので、厳しいご意見をその場でぶつけられることはあまりないのですが(笑)。それでも、皆さんに共通しているのは「今まで見えていなかった課題が見えた」という実感です。

英語発音技能検定EP-Pro®は、「できているかどうか」を判定するだけの試験ではありません。どこに課題があり、次に何に取り組めばいいのかを見つけるための仕組みとして設計しています。だからこそ、結果が思うようにいかなかったときも、そこから先の学びにつながるフィードバックを大切にしています。

課題が見えた、その次にぶつかる壁

ところが、課題が見えただけでは、まだ半分なのです。

受験者の皆さまにお願いしているアンケートでは、ほとんどの方が「自分の課題が明確になった」と答えてくださいます。一方で、同じアンケートには「課題はわかったけれど、どう練習すればいいのかわからない」という声も、複数届いています。

その通りだと思います。「Rの響きが弱い」とわかっても、どうすれば響くのかは、採点結果のフィードバックの文字を眺めていても出てきません。そこで多くの方が、動画や本を頼りに、自分なりに練習を始めます。

ここに、発音の練習ならではの落とし穴があります。自分の耳は、自分の音にとても「優しい」のです。録音して聞き返しても、何が違うのかはなかなかつかめませんし、「たぶんこれで合っている」と思ったまま練習を重ねると、ずれた音のほうが口に馴染んでしまうこともあります。一生懸命練習しているのに変わらない、という伸び悩みの正体は、努力不足ではなく、この「方向のずれ」であることがほとんどです。

自主練習は、本当に「安い」のでしょうか

独学での練習は、お金がかからないぶん「安上がり」に見えます。でも、当てずっぽうに重ねた半年や一年という時間、そして方向を変えないままの再受験。それらを合わせて考えると、実はいちばん高くついていることもあるのです。

先生に習うことの価値は、「正解を教わること」よりも、「自分では聞こえない音を、その場で聞いてもらえること」にあります。先日、発音ミニ講座を受講された方から、こんな感想をいただきました。

数年、ひとりで抱えていた悩みが、60分の講座のなかの、たったひとつの指摘でほどけたのです。自分では「言い終わり」の音にまではなかなか注意が向きません。でも、訓練された耳は、そこを聞き逃しません。

別の講座の受講者さんも、良かった点としてこう書いてくださいました。

もうひとつ大きいのは、「これで合っている」という安心感を持って練習できるようになることです。

自主練習がいらない、という話ではありません。発音は最後はやはり、自分の口で何度も繰り返して身につけるものです。ただ、その練習の「方向」を決めるところだけは、先生の耳を借りたほうが、結果的にずっと安く、ずっと早くたどり着ける。これが、たくさんの受験者さんを見てきた私の実感です。

「測る」「見つける」「直す」をつなげる

では、「先生に習う」にはどんな方法があるのでしょうか。英語発音技能検定EP-Pro®では、目的や予算に合わせて選べるように、いくつかの入口を用意しています。

いちばん気軽に始められるのが、2026年9月に開講したEP-Pro®発音ミニ講座です。1回60分、3,300円の少人数オンライン講座で、「母音+R」「LとR」「THやF、V」「短母音a、o、u」のように、つまずきやすい音にテーマを絞っています。英語発音技能検定EP-Pro®の特級を持つ講師が、口や舌の動きを具体的に解説しながら、受講者一人ひとりの音を聞いていきます。先ほどの「数年の悩みが解決した」という声も、この60分から生まれたものです。

検定やスキルチェックと並べると、それぞれの役割はこんなふうに整理できます。英語発音技能検定EP-Pro®は、今の実力を「測る」場。EP-Proスキルチェックは、課題を細かく「見つける」場。そして先生のレッスンは、見つかった課題を「直し方」ごと持ち帰る場です。スキルチェックで課題の音を絞り込んだら、その音のミニ講座や個別レッスンで直し方を教わる。あとは迷いなく自主練習を重ねて、準備ができたら再び検定へ。そんな流れをつくることができます。

ミニ講座そのものが、課題を見つけるきっかけになることもあります。

実際、ミニ講座の受講者アンケートでは、17名中13名が受講の目的に「EP-Pro®合格のため」を、9名が「プロの講師に教えてもらうため」を挙げていました。そして17名全員が、「今後の練習や指導に活かせそう」という項目に5段階の最高評価をつけてくださいました。60分で終わるのではなく、その先の自主練習まで変わる。それを実感した方の声を、もうひとつご紹介します。

自宅から参加できるので、お忙しい先生方も無理なく取り入れられます。受講の決め手としても、「オンラインで手軽に受講できる」を挙げた方が最も多く、17名中16名でした。

ひとつの音だけでなく、発音全体をじっくり見てほしい方には、EP-Pro®特級ホルダーによる個別レッスンがあります。アメリカ英語かイギリス英語か、ビジネスのプレゼンに備えたいのか、毎日の音声添削で伴走してほしいのか。講師ごとに得意分野もスタイルも違うので、ご自身の目的に合う先生を選んでいただけます。

そして私自身も、代表理事としてレッスンを行っています。本気で発音を改善したい方を対象にした1対1の個別レッスンです。音を聞かせていただいてから、ひとつひとつの苦手音を丁寧に矯正していきます。

伸び悩んだら、努力の「量」より「方向」を

学習を続けていると、「なんとなく伸び悩んでいる」と感じる瞬間が必ずあります。そんなときに大切なのは、練習の量を増やすことよりも、練習の方向を見直すことです。

検定で今の実力を知り、スキルチェックで課題を見つけ、先生に直し方を教わる。「不合格」も「伸び悩み」も、そうやってつなげていけば、次に進むための大事な手がかりに変わります。

ひとりで何か月も迷い続ける時間を思えば、先生に習うことは決して贅沢ではありません。それは、いちばん効率のいい自分への投資です。ひとりで抱え込まず、ぜひ私たちの耳を使ってください。

ミニ講座の開催予定や、個別レッスンの講師紹介は、こちらからご覧いただけます。

▶ 代表理事・菅沼のレッスン(協会へ直接お問い合わせください)


このコラムを書いたのは…

菅沼直子 一般社団法人Triple C協会代表理事 2男2女の母

1972年東京都出身。5~9歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この2つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。

ページトップへ戻る マイページログイン 受験のお申し込み