発音はコミュニケーションの質を上げる

「人は、人生の最後に後悔するのは、失敗したことではなく、チャレンジしなかったことなんだよ。」これは、若くして病気で亡くなった元会社の先輩の言葉です。この言葉は、今でも私の心に刺さり、新しいチャレンジへの源泉にもなっています。

私は、小学４年生までアメリカに住んでいました。3歳の頃から現地の保育園に通い、物心つく頃には日常会話はすべて英語でした。両親とは、日本語で話すものの文法や発音はめちゃくちゃ。でも、特に困ったことはありませんでした。

９歳の時に日本に帰国することが決まり、初めて日本の小学校に入学することになりました。言葉、考え方、見た目（蛍光色の服が大好きな肥満児でした）すべてにおいて、みんなと違いすぎて、容姿や話し方が変だといじめられました。

ようやくできたと思った友達から交換日記を誘われた時の嬉しさといったら今でも忘れられません。しかし、その１週間後には「まいこちゃんは、何言っているのかよくわからないし、書いていることもわからない」と言われ、仲間外れにされました。そして、ようやくきちんとした日本語が話せるようになった１年後、友達が1人2人とできるようになり、楽しい小学校生活が送れるようになったのです。

この経験から、言葉を話せるだけではなく、発音ができることで人とのコミュニケーションの質が変わり、自分自身の世界が変わるきっかけにもなるということを実感しました。

その後、大学を卒業し16年間航空会社で働いていましたが、冒頭の先輩の言葉に出会ったことで、発音の上達を通して人生を変えるお手伝いがしたいと考えはじめ、発音や音声学などを基礎から学び直し、英語発音矯正コーチとしての仕事を始めることになりました。

受験体験記

英語発音矯正コーチとして、仕事を始める準備をしている際に出会ったのが、英語発音技能検定でした。この資格を取得することで、自分自身の実力を客観的に知ることができる上、クライアント様にも自身の発音レベルを客観的にお示しできる最適な資格だと思い、すぐに申し込みをしました。

特級の受験では、発音の練習だけではなく、プレゼンについても構成を考え、口に出して練習する準備が必要でした。聞き手に理解していただけるよう、分かりやすく説明をまとめるのに苦労しましたが、これまで漠然と考えていたことなどもこれを機にしっかり自分の頭で考え、アウトプットすることで整理が出来たので、大変ためになる試験だったと感じています。　自宅で試験を提出できるスタイルもとても良かったです。提出する動画撮影の日を決めて、2週間弱の間できるだけ練習を行ないました。10分程度の動画なので、1時間もあれば撮影が終わるだろうとタカをくくっていましたが、撮影した動画を聞き返すと「ここがカミカミ。この発音が弱い。」などと気になる点がたくさん出てきて、気が付くと3時間ぶっ通しで動画を撮り続けていました。 

　そして、疲れもピークに達し、ようやく「これで良し！」と思えて、説明を締めくくろうとした瞬間「ピンポーン」と玄関のチャイムが・・・。　人生で初めて、ここまでチャイムの音に腹を立てたことがないくらい「キーー！」となった瞬間でした（笑）　その後無事に動画を撮り終え、ドキドキしながら待つこと約1週間、丁寧なフィードバックとともに合格のご連絡をいただき、嬉しさと同時に胸をなでおろしたことを思い出します。

結び

この資格に挑戦したおかげで自分自身の発音とティーチング技術を磨く素晴らしい機会になりました。改めて、このような素晴らしい検定試験を作ってくださった協会の皆様に感謝申し上げます。

私の使命は、発音で悩んでいる方の発音を変えることで、その方ご自身の世界を変えるお手伝いをすることだと思っています。発音に関する悩みは様々だと思いますので、これからもお一人おひとりの悩みや課題に寄り添った発音コーチングを提供してまいります。

最後に、英語発音技能検定EP-Pro®の受験をご検討されている方、発音を上達させたい方、人生は長いようで短いですので、やりたいことを先延ばしせず「やってみたい！」と感じた時にぜひ挑戦してみてください！