コラム

英文音読のススメ

発音

こんにちは。【英語発音技能検定EP-Pro®】を運営しております一般社団法人Triple C協会代表理事の菅沼です。

今日は、英文の音読の大切さ、そしてなぜ音読の習慣づけをお勧めするのかについてご紹介したいと思います!

音読の習慣はありますか?

「英語の発音を極めよう!」と頑張り始めたあなた!音読練習の習慣はついていますか?

多くの人が「音読=読みの練習」と思っていますが、それは半分間違い。正しくは、「音読=発音とスピーキングの土台を作る練習」です。地味ですが、確実に効きます。筋トレと同じく、コツコツやれば必ず結果が出ます。

では、なぜ有効なのか、ひとつひとつ見ていきましょう。

1. 口・舌・喉の筋肉を使って覚えるから

英語の発音は、特に日本語では使わない筋肉を使います。たとえば「th」や「r」「l」など。音読を通して実際に声に出すことで、筋肉がその動きを覚えていきます。黙読やリスニングだけでは、筋肉は1ミリも鍛えられません。

2. リズム・イントネーションのパターンが身につくから

英語は「音の高低・強弱・スピード」が非常に重要。音読を続けると、単語単位ではなくフレーズや文の「音の流れ」が体に染み込んできます。特に、ネイティブ音声をマネして音読する「シャドーイング」や「オーバーラッピング」はリズム感を育てるのに効果的。

3. 発音の「気づき」が起きやすいから

自分の声を録音して聞いてみると、意外と「あれ?全然違うじゃん」と気づきます。このギャップに気づけるのも、音読の大きな利点。そしてそのギャップが、改善の第一歩です。

4. 語彙や文法の定着にもつながるから(おまけの効果)

音読を通して何度も同じ表現に触れることで、記憶にも残りやすくなります。発音練習をしながら、スピーキングやライティングの下地作りにもなるという一石二鳥なトレーニングです。

「音読=発音の筋トレ」

筋肉を鍛えずにスポーツが上達しないのと同じで、発音も練習なしでは変わりません。発音に必要な“口まわりの筋肉”と“運動パターン”を鍛える行為として、音読は筋トレに似た性質を持っています!

何の筋肉をどう鍛えているかというと、①舌の筋肉(舌筋)、②唇の筋肉(口輪筋)、③喉・声帯(発声筋群)、④呼吸筋(横隔膜、肋間筋)です。

舌の筋肉(舌筋 ):「r」「l」「th」など、日本語にない音を正確に出すために鍛えましょう

唇の筋肉(口輪筋) :「w」「v」「f」など、唇の丸め・震わせが必要な音を再現し続けることで、自然に動かせるようになります

喉・声帯(発声筋群) :「有声音・無声音」の切り替え、「母音の長さ」「強勢」など発声筋が鍛えられ、「この音を出すにはこれ」という身体感覚ができてきます

呼吸筋(横隔膜、肋間筋) : 英語特有のフレーズ単位の息継ぎ、強勢のコントロールをする練習。「話すための呼吸」が整い、 結果的に流暢さにもつながります

上記の4つ以外にも、ほっぺた・あごの先・上唇を持ち上げる筋肉など、英語の発音をするときは顔全体の筋肉をたーっくさん使います。最初は大げさすぎて「これで合ってるのか…?」と思ってしまうかもしれません。顔の筋肉が痛くなるかもしれません。でも、それくらい、英語と日本語とでは使う筋肉が違うのです。

音読で「口と脳を英語仕様」に!!

発音の上達に必要なのは、「知識」ではなく「動き」です。知識は教科書で得られます。でも動きは練習でしか身につきません。音読はまさにその“動き”を鍛える場。毎日続ければ、自然と口が“英語の音”を出せるようになります。

コツコツがんばりましょう!!


このコラムを書いたのは…

菅沼直子 一般社団法人Triple C協会代表理事 2男2女の母

1972年東京都出身。5~9歳までの間、アメリカのサンフランシスコ郊外で過ごす。帰国後は公立の小・中・高で学び、1995年慶應義塾大学環境情報学部卒業。子どもの小学校入学をきっかけに東京都内で小学校英語活動のゲストティーチャーを6年間務める。離婚後、子ども 4 人を連れて和歌山へ移住。生活のために始めた英会話講師の仕事を通して『地域による教育格差』と『根深い日本人の英語発音コンプレックス』を強く感じ、この2つを解消できる方法を探るようになる。英語を教える先生のスキルアップこそが日本人の英語コンプレックスを無くしていくカギとなるのではないかと考え2017年より【英語発音技能検定EP-Pro®】及び【英語発音技能測定テストEP-Jr®】を開発運営開始。2021年には音声連動型【英語学習教材シリーズEP-edu®】を開発。

ページトップへ戻る マイページログイン 受験のお申し込み